近視治療
近視治療について
はじめに

文部科学省の学校保健統計調査によると、「裸眼視力1.0未満」の小中学生の割合は過去最高水準が続いており、特に最近ではスマートフォンやタブレット端末などの使用が一般的になり、それ以前と比較してお子さんの近視人口のさらなる増加が懸念されています。
2018年に都内の小中学生を対象に行われた調査では、小学生の76.5%、中学生ではなんと94.9%もの児童に近視が存在したという調査結果もあり、改めて近視の予防と治療の重要性が示されました。
(Yotsukura E. Torii H. et al. JAMA Ophthalmol.2019)
「近視」と「病的近視」

そもそも近視とは、眼に入った光が
- 網膜より前で焦点があってしまう
- あるいは近い場所(有限距離)で見ないと網膜面で焦点が合わない
状態を言います。
つまり、「近くのものは見えるけど、遠くのものは見えにくい」状態です。

これらは眼の前後径が長くなってしまっていることが原因でおこります。
近視が進みすぎてしまうと眼の前後径が長くなりすぎてしまい、網膜に亀裂が入ったり、新生血管が発生してしまうといった異常が出現することがあります。
このような状態になると「病的近視」と呼ばれます。
病的近視は視力低下(眼鏡をかけても視力がでない状態)を引き起こすだけでなく、失明にまでいたることがあります。
近視のデメリット

眼鏡やコンタクトの常用が必要ない程度の近視であればデメリットはあまりないかもしれません。常用が必要な程度に近視が強くなると、当然ですが眼鏡代やコンタクトレンズ代といった経済的な負担を生みますし、それだけでなくさまざまな日常生活上の制約も発生させてしまいます。たとえばプールや温泉などに入った時に裸眼だと周りが見えにくく不便さを感じたりさせます。
これらは場合によっては不便を通り越して危険と感じる場合もあるでしょう。そしてこれらの不便や危険は結果としてアクティビティの機会を敬遠したり、喪失させる要因にもなります。
病気という点でのデメリットとしては、近視が強くなると網膜剥離や緑内障といった病気が発症しやすくなってしまいます。また、前述のとおり、病的近視にまでなると失明リスクまで負うことになってしまいます。
(強度近視は日本人の失明原因(視覚障害1級)の第4位です)
近視治療について

現在、お子さんの近視治療は、目薬による治療と特殊コンタクトレンズを使う治療が主に行われています。特別なレンズを用いた眼鏡、特殊な光のでる機械を用いる治療やサプリメントの内服が行われることもあります。
目薬による治療は1日1回、就寝前に目薬を差す治療です。簡便で、治療効果も安全性も確認されていた治療でしたが、保険の適応がなかったため全てが自費での診療となっていました。しかし、令和8年6月より治療の一部が保険適応となったため、目薬代だけを自己負担する形になりました。
特殊コンタクトレンズを用いる治療は、以前までは夜間就寝時に特殊コンタクトレンズを装用し、角膜の形を変えて近視を抑える治療が主に行われてきました。最近では、近視を抑える作用を持つソフトコンタクトレンズが認可されたため、こちらも行われるようになっています。このコンタクトレンズは日中の見え方を改善させるだけでなく、近視の進行も抑える作用のあるコンタクトレンズで通常のソフトコンタクトレンズと同じように使用します。ワンデータイプなので毎日のレンズ洗浄などのケアが必要なく、使いやすいのもポイントです。
当院での近視治療について
当院ではリジュセアミニ点眼を用いた近視治療と、近視抑制ソフトコンタクトレンズであるマイサイトを用いた近視治療を行っております。子どもの近視について(リジュセアミニ点眼)とマイサイトに関しての詳しい情報は下記リンクをご参照ください。
治療するしないにかかわらず、お子さんの視力や治療についての疑問や心配がありましたら、お気軽に当院までご相談にいらしてください。
日常生活の中で近視に対して有効な対策

近業作業の連続が近視の進行にかかわっていることが分かっています。
30分に一回程度、一度手を休めて遠くの方をみるなどして眼を休めてください。
また、1日90分以上太陽の下で活動することが近視の進行を抑制することが分かっています。
どんな治療でも、やはり日常生活を通じて近視の進行を防いくというのが大切です。